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第5章 確信

『旦那さん夜まで帰って来ないの知ってますよ？』
『旦那さんは朝早くに出ていつも夜遅くに帰宅ですよね？』
高並は笑顔で答えた

「なっ、なんでそんな事は・・・」
裕子は怖くなり動揺を隠せなかった

高並はそのまま話を続けた

『いや、別にストーカーをしていたわけでも無いんですよ』
『それに奥さんも私の嫁が家に居ないのも知ってて言ったんじゃないですか？』
『家が近所だとなんとなくわかってしまう事もあるじゃないですか・・・』

裕子も高並が言う通りなのも気づいていた

家は一軒家の多い住宅街
家と家との間隔がさほど離れていない環境
調べたりはぜずとも自然に流れ入ってくる情報
どの家庭からも聞こえてくる声、生活音

それとどんなに不規則な仕事をしていたとしても
なんとなくはあるそれぞれの生活リズム

「隣の家の旦那はいつも帰り遅いわね」
「あそこの家は昼間に旦那が居て夜に車が出だすけど夜勤かしら？」
「向かいの家は子供の声が聞こえるけど二人いるでしたっけ？」

たまに旦那との夕食時にたわいもない話題の一つとして
特に詮索をするわけでも無くそんな事を何気なく話す時もあった