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妄想チャンネル 〜タイムトラベル〜
第2章 ch.1:欲深なシンデレラ
「貴女に最初で最後の決断をして頂かなければならないのです。」
何やら怪しげな笑みを浮かべる。
「このままこの世界で生涯を終えるか、元いた世界へ戻るか。」
「え?そりゃあ、この世界に・・・。」
自分の存在感など、空気も同然。
人並みに友人はいたものの、所詮は学友だ。
いつ離れるかも知り得ない。
そんなつまらない世界へ戻るよりも、こちらでかたく結ばれた糸を紡いでいく方を選ぶに決まっている。
「本来の世界で貴女の帰りを待つ人たちがいたとしても、この世界を選びますか?」
「・・・え?」
疑い深い言葉に思考が止まる。
「私を、待つ人たちって・・・?」
「貴女の両親、親戚。捜索願まで出して貴女を探し回っています。」
「そんなっ・・・お父さんとお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんまで・・・?!」
両親は共働きで祖父や祖母も実家が遠くて滅多に会うことなんてなかった。
「貴女がこちらの世界に来てからも、本来いた世界の時間はこちらと同じだけ進んでいるのです。」
咲子がきてから丸5日ほどしか経っていないが、親からしてみれば全く足取りのつかない娘を待っている時間は一分一秒がとても長く感じるもの。
暫く幸せに浸りすぎたせいか、尚更現実が重くのしかかる。
何やら怪しげな笑みを浮かべる。
「このままこの世界で生涯を終えるか、元いた世界へ戻るか。」
「え?そりゃあ、この世界に・・・。」
自分の存在感など、空気も同然。
人並みに友人はいたものの、所詮は学友だ。
いつ離れるかも知り得ない。
そんなつまらない世界へ戻るよりも、こちらでかたく結ばれた糸を紡いでいく方を選ぶに決まっている。
「本来の世界で貴女の帰りを待つ人たちがいたとしても、この世界を選びますか?」
「・・・え?」
疑い深い言葉に思考が止まる。
「私を、待つ人たちって・・・?」
「貴女の両親、親戚。捜索願まで出して貴女を探し回っています。」
「そんなっ・・・お父さんとお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんまで・・・?!」
両親は共働きで祖父や祖母も実家が遠くて滅多に会うことなんてなかった。
「貴女がこちらの世界に来てからも、本来いた世界の時間はこちらと同じだけ進んでいるのです。」
咲子がきてから丸5日ほどしか経っていないが、親からしてみれば全く足取りのつかない娘を待っている時間は一分一秒がとても長く感じるもの。
暫く幸せに浸りすぎたせいか、尚更現実が重くのしかかる。