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妄想チャンネル 〜タイムトラベル〜
第2章 ch.1:欲深なシンデレラ
「それでは、わたくしはこれで。」

使いは綺麗なお辞儀をして長い廊下を戻っていった。

高鳴る鼓動を整えながら、深く深呼吸をする。

「うぅ、緊張する。」

勇気を振り絞ってドアをノックした。

ーーーギィー・・・。

ゆっくりと、扉は開く。

そして、待ち兼ねた、あの人が、顔を出す。

「お、王子・・・様・・・?」

「君は、間違いなく、舞踏会で踊った・・・っ!」

スラッとした体型に、高い鼻、整った眉、サラサラの髪に艶やかな肌。

「王子様・・・会いたかった・・・。」

まさに想い描いていたままの人だった。

「私も会いたかった。今すぐにでも、貴女と結婚したい。」

「は、はい、喜んで。」

もう夢でも現実でもどちらでもいい。

こんなにも暖かみを感じた抱擁は初めてだったから。

「名前を、まだ聞けていなかったね。」

「さ、咲子、です。」

「咲子。美しい名前だ。生まれてきてくれて、ありがとう。」

幸せすぎて涙が溢れた。
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