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英里を調教 <大学生編>
第16章 卒業式 「おもしろき ことをなき世を おもしろく」
 卒業式自体は普通の卒業式。
 私の両親も来てくれて、式後に「卒業式」のパネルの前で両親や友達と記念撮影。
 綺麗な桜と空の下、笑顔と涙の卒業式でした。

 そうそう『栄養筋肉学サークル』のみんなとも写真撮ったよ。
 四人のうち、二人卒業だって。
 来年から大変かもだけど、今年の大学祭での人気もあるし、きっと大丈夫よね。

 その後は場所を移し『料理研究会』のパーティー。
 後輩からおいしい料理でお祝いしてもらって、お酒も飲んで大盛り上がり。
 
 最後に卒業生から一言ずつ挨拶。

 料理上手の三年生。
 優しい子揃いの二年生。
 英里ちゃんや友恵ちゃんのいる、期待の一年生。

 みんな、後は頼んだよ。

 最後に真紀が締めて終了。

 私や真紀は『裏』のサークル活動もしてるけど、そちらのほうは後日、私と真紀の新居でこっそり開催予定。

 お酒を飲んでしまったので、今日は電車でみんなで帰宅。
 流れ解散で、一人一人と減っていく中で、真紀が囁くように私に言った。

「志穂、私今日は寮のサークルの子の部屋に泊めてもらうね」
「あら、帰らないの?」
「うん、寮も名残惜しいしさ」
「そっか。ずっと寮住まいだったものね」
「うん。まあ、卒業式の夜だから思うところもあるけど、志穂とはこれからもずっと一緒だし、今夜は志穂を英里ちゃんに譲るよ」
「もう、真紀ってば」
「志穂が卒業しちゃうから、英里ちゃん寂しそうだよ。今日は一緒にいてあげなよ」

 真紀はそう言って笑う。
 本当は会えなくなって寂しがっているのは、多分、英里ちゃんよりも私のほう。
 そして長年の親友は、そんな私の気持ちも見抜いてる。

「うん、わかった。ありがとね」
「明日車取りに来るでしょ? その時に乗せて帰って」
「りょーかい。着物、汚しちゃだめよ」

 大学と駅への、最後の分かれ道。

「卒業おめでとう、志穂」
「真紀も、卒業おめでとう。大好きだよ」
「私も」

 小さな体に優しさをいっぱいにつめた私のいちばんの親友は、笑って手を振りながら、友恵ちゃんや何人かのサークル仲間と去っていった。
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