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Withdrawal Symptoms
第3章 突然の……

「え?」
「だからあ、いくらお兄さんが魅力的でかっこ良くたって、やっぱそういう感情は持たないよねぇ。“禁断の〜”とか“秘密の〜”とかには惹かれちゃうけど。あ、ちょっとね」
そう言い彼女はイタづらした子供みたいに口に手を当て戯けて見せた。

いつもは可愛いと思うその仕草。その声。

けれど今は、これっぽっちも“可愛い”なんて思えない。
寧ろ、憎らしいと思ってしまうのは、何故なんだろう。

「うん、そうだよ、あり得ないって。もしそんな事してたらって考えただけでも、……気持ち悪いよ」
そう必死に、彼女に賛同し言葉を発する自分に吐き気を覚えた。

(本当……私、何してんだろ)

「確かに〜」

"異常”そんな事自分が一番分かってた。
そしてこの不徳の行為から、逃れたいと強く思っていた事も。

今なら分かる。自分の気持ちが……。
私は嫌だったんだ。あの行為全てがーー

「あっ」
そのとき彼女がある人物を指差し声を上げた。その声色はいくらか明るいものだった。

その声に、ふと顔をあげる。

(えっ……)

私はその人物を捉えた瞬間、固まった。

「……しゅ、俊哉」
彼女の視線の先には、つい最近……いやこの前まで付き合っていた、元彼……俊哉の姿があった。
出来れば今一番会いたくなかった人だ。あんな別れ方をして、彼と普通に顔を合わせるなんて……私には出来なかった。たからなるべく会わないようにしてた。


それなのにーー

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