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Withdrawal Symptoms
第3章 突然の……
「あ、俊哉クン! 」
麻実が先程よりも大きな声を出した為か、彼は気付いたようだ。……私達の存在に。
程良く焼けた身体。長い手足。小さな顏。俊哉はきっと、誰が見てもかっこいい。部活帰りなのか肩には黒色のボストンバッグが下げられている。

俊哉は私達を見ると遠目からでも分かる程、切れ長の瞳を大きく見開いた。けれど、その顏もすぐに険しいものへと変わる。
麻実はそんな彼に気づかないのか、仕切りにに"こっちこっち"と手招きした。麻実のこのテンションの上がり様は何なんだろうか……。

俊哉は来ないと思っていた。私達の所には。
「麻実、俊哉困ってるよ、ね、帰ろ?」
そう言い彼女の細い腕を掴み正面に向かせようとする。
「えっそんな事ないよお〜。あ! ほらほら俊哉クンこっち来たあ」

えっ? 何ですと?

私は振り返った。見ると、どうだ。彼女の言った通り、彼はズンズンと歩いて来るではないか。しかもその瞳は、しっかりと私達を捉えている。

(え、ちょっと、どうしよう)

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