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Withdrawal Symptoms
第3章 突然の……
「……!?んっ」
俊哉は壁に片手を付いたまま、角度を変えて何度もキスをしてきた。激しいそれに、私は瞳を見開いた。
「ちょっ……はなし……」
彼から顔を逸らそうとするも、空いていた彼の長い腕によってそれは阻止された。顔を掴まれ身動きが取れない。俊哉の舌が私の口を割って入ってくるーー
その瞬間、私は目を瞑り俊哉を両手で押し返した。こんなキスをされたのは初めてだった。肩を上下させ呼吸を落ち着かせる。
俊哉は少し息を荒くして私を掴んでいた腕を離した。掴まれていた手首が薄暗いこの場所でも分かる程、赤くなっていた。俊哉は無言で自分の唇に手の甲を当てると私を睨んだ。その刺す様な俊哉の視線が何時もの彼ではない事を物語っているようで、私は急に怖くなった。180㎝近くある彼に見下ろされ、私は身体を強張らせた。
(……なんで俊哉、何も言わないの……)
不安になり口を開こうとしたそのとき、掠れた小さな声が私の耳元で響いた。ハッとして彼を見る。
「……こうしなきゃ」
「何?」
私の声は震えた。
俊哉は眉を寄せ拳を握り締めた。
その苦しげな表情を見て、何とも言えない後悔が私の胸の奥に押し寄せて来た。それは荒波の様に、私の心を掻き乱す。
俊哉は一息吐くと拳を握り締めたまま言った。
「こうでもしなきゃ、俺の話なんか聞いてくれないだろ」
俊哉……。
私は俯き唇を噛む彼を見て申し訳ないと言う罪悪感でいっぱいになった。
「……ごめん」
私は気づいたらそう言っていた。俊哉は無言で俯いたままだ。私は意を決した様に口を開いた。俊哉に対するこの気持ちが、同情なのか、それとも愛情なのか、それすら分からなかった。ただ、今はーー
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