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Withdrawal Symptoms
第2章 秘密の関係
美香が教室に入ったのを確認した後、あたしは顔を綻ばせた。どうしても、ニヤニヤしてしまうこの顔が、憎らしい。
……けれど仕方ない。
だってあたしは……美香の元カレ、「眞田俊哉(さなだしゅんや)」を誰よりも愛しているから。いやそれには少し語弊がある。それはもう、ずっとずっーと前から。
あたしは彼が、スキ。
彼女と別れた今、そして未練がないと彼女の口から聞いた今、喜ばずにはいられなかった。大好きなあの人を自分に向かせる事が出来るかもしれない。大好きなあの人を……自分のものに出来るかも……わからない。
その喜ばしく甘い蜜が、私を幸福の泉へと誘う。
ね、“俊クン”、だからあたしを見てね?
あたしは教室の隅で仄かに顔を赤らめた。
ーー白石麻実。
彼女は好きな男の為になら、努力を惜しま無い女だった。
あの時も、“あの時”も。
彼女は美香が好きだからこの高校を受験した訳ではない。
全てはそう、愛する彼、俊哉と同じ高校に行く為ーー
だがそれを、“彼女”は知らない。
……けれど仕方ない。
だってあたしは……美香の元カレ、「眞田俊哉(さなだしゅんや)」を誰よりも愛しているから。いやそれには少し語弊がある。それはもう、ずっとずっーと前から。
あたしは彼が、スキ。
彼女と別れた今、そして未練がないと彼女の口から聞いた今、喜ばずにはいられなかった。大好きなあの人を自分に向かせる事が出来るかもしれない。大好きなあの人を……自分のものに出来るかも……わからない。
その喜ばしく甘い蜜が、私を幸福の泉へと誘う。
ね、“俊クン”、だからあたしを見てね?
あたしは教室の隅で仄かに顔を赤らめた。
ーー白石麻実。
彼女は好きな男の為になら、努力を惜しま無い女だった。
あの時も、“あの時”も。
彼女は美香が好きだからこの高校を受験した訳ではない。
全てはそう、愛する彼、俊哉と同じ高校に行く為ーー
だがそれを、“彼女”は知らない。