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Withdrawal Symptoms
第2章 秘密の関係
ーー昼休み。
購買で買ったパンと財布を手にし、私は教室に戻った。悲しい事に、今年は麻実と離れてしまった。……何ってクラスが。だから私はこうして一人寂しく窓際の机に座り、パンを頬張るわけ。
まあ、別に……寂しくはないよ? いや全然。うん。
袋からパンを取り出し、口に咥えようとしたそのとき。
『キャー!!』
とクラス内に歓声が沸き起こった。
(え、何?)
千切ったパンを右手に、私は視線を彼女達に向けた。黄色い歓声を上げ、"キャアキャア"と忙しなくはしゃぐ彼女達に。
教室にいた数少ない男子達が、呆れた目で彼女達を見ていた事は、無論、言うまでもなかろう。
はあ、と溜息を吐き、私は彼女達の視線の先のーー窓へと顔を向けた。
窓から身を乗り出し手を振る者もいるから、ああ、危ない。男子達はその光景から目を背け、おにぎり片手に雑談を繰り返している。
(何をそんなに……)
別に。気にならないけど、うん。
ちょっと見るくらいなら、まあ、良いよね。
私はそう言い聞かせると、キャアキャア煩い女子の中に身を投じた。
『きゃー! こっち見た! さっき先輩こっち見たあ!!』
『何、真梨子ずるーい! あ、昴(コウ)せんぱぁ〜ぃ』
……“コウ”?
その言葉を聞き私はふと、我に帰った。
購買で買ったパンと財布を手にし、私は教室に戻った。悲しい事に、今年は麻実と離れてしまった。……何ってクラスが。だから私はこうして一人寂しく窓際の机に座り、パンを頬張るわけ。
まあ、別に……寂しくはないよ? いや全然。うん。
袋からパンを取り出し、口に咥えようとしたそのとき。
『キャー!!』
とクラス内に歓声が沸き起こった。
(え、何?)
千切ったパンを右手に、私は視線を彼女達に向けた。黄色い歓声を上げ、"キャアキャア"と忙しなくはしゃぐ彼女達に。
教室にいた数少ない男子達が、呆れた目で彼女達を見ていた事は、無論、言うまでもなかろう。
はあ、と溜息を吐き、私は彼女達の視線の先のーー窓へと顔を向けた。
窓から身を乗り出し手を振る者もいるから、ああ、危ない。男子達はその光景から目を背け、おにぎり片手に雑談を繰り返している。
(何をそんなに……)
別に。気にならないけど、うん。
ちょっと見るくらいなら、まあ、良いよね。
私はそう言い聞かせると、キャアキャア煩い女子の中に身を投じた。
『きゃー! こっち見た! さっき先輩こっち見たあ!!』
『何、真梨子ずるーい! あ、昴(コウ)せんぱぁ〜ぃ』
……“コウ”?
その言葉を聞き私はふと、我に帰った。