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やさしいんだね
第2章 情熱は二種類
ホテルを出て、いつものピックアップ場所へ向かう。
余韻がまだ頬を赤らめているが、小百合の頭の中からは徐々に松浦の存在が消えつつあり、代わりに今から受けるテストのことでいっぱいになっていた。
ドライヤーで乾かしたばかりの柔らかい髪に夜風が少し冷たい。
小百合は火照った身体とは裏腹に身震いしながらクリーム色のワンボックスの運転席をノックして、そして助手席側に回り込んでドアを開けた。
「お疲れ様です小百合様!」
小百合の姿を見るや、ソンはわざとらしい笑顔を顔いっぱいに浮かべ、深々と頭を下げた。
「へへへ、疲れたでしょう?時間もまだちょっとあるし、駅前のスターバックスに寄ってコーヒーでも買いましょうか?」
「いらない。コーヒー奢ってくれるならその分もバックしてよ。ていうかそれより、出来るだけ早く送って。1分でも早く塾につかないと落ち着かない」
小百合はソンと目も合わせず、乗り込むなりカバンから行きと同じく塾のプリントを取り出した。
「ハイハイ、わかってますってぇ。今から大事なテストだもんな。ネズミ捕りに引っかからねぇ程度に出来るだけ速く送ってやりますよ」
言葉の通りソンはやや乱暴なスピードで車を発進させた。
余韻がまだ頬を赤らめているが、小百合の頭の中からは徐々に松浦の存在が消えつつあり、代わりに今から受けるテストのことでいっぱいになっていた。
ドライヤーで乾かしたばかりの柔らかい髪に夜風が少し冷たい。
小百合は火照った身体とは裏腹に身震いしながらクリーム色のワンボックスの運転席をノックして、そして助手席側に回り込んでドアを開けた。
「お疲れ様です小百合様!」
小百合の姿を見るや、ソンはわざとらしい笑顔を顔いっぱいに浮かべ、深々と頭を下げた。
「へへへ、疲れたでしょう?時間もまだちょっとあるし、駅前のスターバックスに寄ってコーヒーでも買いましょうか?」
「いらない。コーヒー奢ってくれるならその分もバックしてよ。ていうかそれより、出来るだけ早く送って。1分でも早く塾につかないと落ち着かない」
小百合はソンと目も合わせず、乗り込むなりカバンから行きと同じく塾のプリントを取り出した。
「ハイハイ、わかってますってぇ。今から大事なテストだもんな。ネズミ捕りに引っかからねぇ程度に出来るだけ速く送ってやりますよ」
言葉の通りソンはやや乱暴なスピードで車を発進させた。