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第15章 14．

　篤志。
　あのね。
　私ね、あれから3年が経とうとした今でも、わからないの。
　篤志の真意が、まったく、わからないの。
　これってさ、私がバカだから？
　それとも、あんたが賢すぎるから？
　教えてよ。

　ねぇ。
　あんなこと先生に言ってさ。

　私は泣いたらいいの？
　笑ったらいいの？
　怒ったらいいの？
　悲しんだらいいの？

　ねぇ。

　先生と別れたらいいの？
　ううん、先生にこのまま嫁にもらってもらえばいいの？
　それとも、先生をぶっ殺してもらえばいいの？

　山岸のおっさんのこともぶっ殺したいと思う？
　あのおっさん、私を襲うんだよ。
　・・・そう、私もずっと思ってたんだ。
　言えば、篤志はあいつを殺してしまうんじゃないかって。
　そういうことをしてしまう危険性の高い男だって、あんたのこと。
　だから黙ってた。
　知らなかったでしょ？
　知らなかったよね。
　

　ねぇ、どうして私を突き放すの？
　好きなんでしょ？
　私のこと好きなんでしょ？
　今日、わかったんだよ。
　あんたは、私のことが、ものすごく、好きで、それと同じくらい、怖いんだよ。

　そうなんでしょ？
　私が。
　あまりにも私の存在が、あんたの卑屈で歪んだ心の中で大きすぎて。

　私の笑顔が、あんたの心を縛っていて。
　私の好きだよって言葉が、キスが、むねが、お尻が、肌が、髪の毛が、そして、繋がった、あそこが。
　そして、大好きなお父さんの娘を汚している罪悪感が。

　違う？
　違うなら、違うって、言ってよ。