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泡のように
第16章 15.
 つつかれた乳首がじんと痺れ、弱い快感が身体の中心を走る。
 昨日自分で慰めた場所は今頃経血で真っ赤に染まっているはずだ。
 涙を手の甲で拭って、先生を見つめる。
 先生は私の肩を抱き寄せながら、煙草臭い口で言った。

「これだけはさすがに山岸にも話せるわけねぇなって思ってたことだけどさ。俺な、なんで前の嫁に浮気されたかって言うと、まぁもちろん性格の不一致とか仕事のこととか色々あったけどな。一番の原因は俺の発言だったのかもと、ふと気付いたんだわ」

 先生の腕によって左右に開かれた脚の付け根を下着の上から撫でられると、期待が膨らむ。
 先生はそこにほくろがあることを、知っていただろうか。

「俺ってどっちかって言うと絶倫だろ。普通の女は嫌がるよな。それでも前の嫁はついて来れるほうだったと思うけど、山岸と比べればほんと、フツーの女だったよ。フツーだとお互いに飽きてくるだろ。だから、ある時に言ったんだよ。そーゆー趣味の奴が集まる機会があるから、一緒に行こうぜって。いや、もうちょっと直接的だったな。夫婦で乱交しようぜ!とか言ったな。今思えば俺もかなり痛々しいな。でもマジだったんだ。あいつすごい顔してたな。でもスルーされたから無理だったかーって思って忘れてた。そしたらしばらくして、フツーの男と浮気されて別れるハメになった。別れ際あいつはこう言ったよ。ワタシね、淡白でもいいからフツーの結婚生活がしたかったの、ってさ。こういうのって、どっちが気の毒なんだろうな」

 すぐに笑えなかったのはキスされたせいだ。
 唇が離れてすぐ、我慢できずに笑い声を上げてしまった。

「失礼なやつだな、そんなに笑うなよ」
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