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泡のように
第19章 18.
とっくに食事を終えていたお兄ちゃんは頭の後ろで両手を組み、天井を見上げている。
「に、兄ちゃんは女性と付き合ったことなんか、一度もないんだから。ま、前にも言ったろ、俺はこんな性格で、こんな貧弱なカラダで、女性と付き合う資格なんか、ないって。虎太朗が見かけたのは、彼女なんかじゃない」
「え・・・彼女がいたことがないって・・・つまり、私以外の女を抱いたことがないってこと?」
言ってから気の毒すぎる質問だったと反省したが時すでに遅し。
「に、兄ちゃんは、不特定多数の異性と性交渉することが、男性のステータス化している既成事実に疑念を抱いているよ」
負け惜しみなのか本音なのか分からないが、お兄ちゃんは相変わらず天井を見上げながら呟いた。
私が妹でなく恋人であったならば涙が出そうなくらい嬉しがるかも知れないが、微妙な立場にいる私としては非常に複雑な心境だ。
「へえ、そうなんだ」
当たり障りのない返事をして、ゴチソウサマでしたと両手を合わせた。
「に、兄ちゃんは女性と付き合ったことなんか、一度もないんだから。ま、前にも言ったろ、俺はこんな性格で、こんな貧弱なカラダで、女性と付き合う資格なんか、ないって。虎太朗が見かけたのは、彼女なんかじゃない」
「え・・・彼女がいたことがないって・・・つまり、私以外の女を抱いたことがないってこと?」
言ってから気の毒すぎる質問だったと反省したが時すでに遅し。
「に、兄ちゃんは、不特定多数の異性と性交渉することが、男性のステータス化している既成事実に疑念を抱いているよ」
負け惜しみなのか本音なのか分からないが、お兄ちゃんは相変わらず天井を見上げながら呟いた。
私が妹でなく恋人であったならば涙が出そうなくらい嬉しがるかも知れないが、微妙な立場にいる私としては非常に複雑な心境だ。
「へえ、そうなんだ」
当たり障りのない返事をして、ゴチソウサマでしたと両手を合わせた。