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泡のように
第19章 18.
「ねぇ、本当のことを教えてよ」
中央環状線を下りて国道に出ると、さっきまでの渋滞が嘘のようにスムーズに車が流れていた。
お兄ちゃんは真っ直ぐに前方を見つめたまま「なにが?」と言った。
「お兄ちゃんと腕組んで歩いてた人のこと」
「べつに、誰だって」
「もしかしてその人って、レイナさん?」
お兄ちゃんは運転中にも関わらず顔をこちらに向けた。
その顔は驚いている、というよりは怪訝そうに歪んでいた。
「どうして」
「どうしてって、なんとなく。さっきの話を要約すると、お兄ちゃんは今まで一度も彼女なんかいたためしがなくて。女友達もいなくて。お母さんでもなく、私でもなく。ってなったら、お兄ちゃんの行動範囲から推測するに、実のお母さんのレイナさんだったのかなって」
「だ、だか、だから、どうして兄ちゃんの本当のお母さんのことを、智恵子が知ってるんだよ」
「さぁ、どうしてでしょう?」
お兄ちゃんのハーフパンツの上に手のひらを置いてみる。
ニシシと笑ってから、抵抗出来ない股間にまで伸ばしてみる。
「私のほくろの位置は覚えてるのに、昔妹に話したことは忘れちゃったの?案外お兄ちゃんの脳も出来が悪いんだね」
お兄ちゃんに手をどけられ、座席に深く背中を預けた。
中央環状線を下りて国道に出ると、さっきまでの渋滞が嘘のようにスムーズに車が流れていた。
お兄ちゃんは真っ直ぐに前方を見つめたまま「なにが?」と言った。
「お兄ちゃんと腕組んで歩いてた人のこと」
「べつに、誰だって」
「もしかしてその人って、レイナさん?」
お兄ちゃんは運転中にも関わらず顔をこちらに向けた。
その顔は驚いている、というよりは怪訝そうに歪んでいた。
「どうして」
「どうしてって、なんとなく。さっきの話を要約すると、お兄ちゃんは今まで一度も彼女なんかいたためしがなくて。女友達もいなくて。お母さんでもなく、私でもなく。ってなったら、お兄ちゃんの行動範囲から推測するに、実のお母さんのレイナさんだったのかなって」
「だ、だか、だから、どうして兄ちゃんの本当のお母さんのことを、智恵子が知ってるんだよ」
「さぁ、どうしてでしょう?」
お兄ちゃんのハーフパンツの上に手のひらを置いてみる。
ニシシと笑ってから、抵抗出来ない股間にまで伸ばしてみる。
「私のほくろの位置は覚えてるのに、昔妹に話したことは忘れちゃったの?案外お兄ちゃんの脳も出来が悪いんだね」
お兄ちゃんに手をどけられ、座席に深く背中を預けた。