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泡のように
第28章 27.
「たぶんそれがいけなかったのかな?今から5年くらい前になるかなぁ。ジムでねぇ、大人になった篤志とたまったま会ってさぁ」
「え、なんでお兄ちゃんだってわかったの?」
「だってハーフパンツに八田篤志って名前書いてた」
「は?」
「高校の時かなんかの体操服じゃないかな」
「あぁ、そういえばもったいないって言って穴があくまで着てたような・・・」
「体操服って意外と丈夫だからねぇ。そうそう、それで、篤志がインターバル取ってるときに後ろから近付いて、いまのベンチ何キロですかって聞いたんだ」
「うん」
「180キロですって、ものすごく警戒されながら答えられてね」
「うん」
「そうですかーへぇーって言ってから、なんかスポーツしてますの?って聞いて」
「うん」
「学生時代にアメフトを、ってやや逃げ腰で答えられて」
「うん?」
「逃げられる前に、もしかして君、篤志くん?僕ねぇ、たぶん君の本当のお父さんなんだーって言ったら、ダッシュで逃げられた」
「なんじゃそら!」

 助手席で笑い転げる私を、おじさんは恥ずかしそうに横目で見ていた。

「次に会ったときにさぁ、思いっきり無視されてたんだけど、とりあえず話しかけたんだ。元気だったー?って。そしたら、俺に関わらないでくださいって言われちゃって。ショックだったなー」
「そりゃそうなるよ」
「そうだよねぇ。嫁に話したらなんとかして連れてこいって言われたんだけど、その時に俺じゃ手に負えないって思って、アキホの旦那のタカシ君に土下座してジムに入会してもらったんだ。ソープランド1回ぶん奢る約束で。あの子両方イケるから」
「・・・素敵が止まらない」
「ほんと?ありがとう」
「ううん、全然褒めてないんだよ」
「え?思春期の女の子って気難しいね~。あ、それでね、タカシ君がうまーくねぇ、わりと時間をかけて篤志と仲良くなってくれて。うまーくアキホと会わせて、嫁とも会わせて、それで最終的に俺にも会わせてくれたんだ。そこにたどり着くまでに、2年もかかったんだよ。篤志ってガード堅いね。女の子だったら一生処女だね」

 素人童貞、じゃないや、妹童貞なんだよ、とはさすがのおじさんにも言えなかった。

「そしたらね、会うなりね、殴られた」

 唖然として言葉が出なかった。
 車はいつの間にか、内環状線を走り過ぎ、見慣れた公道を走っていた。

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