この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
泡のように
第28章 27.
 勉強になったと感じるところなんだろうか?
 おじさんは短くなった煙草を灰皿で揉み消すと、胸ポケットからフリスクを取り出して何個か口に放り込んだ。
 やっぱりおじさんはフリスクすらも私に勧めてはくれなかった。

「殺したいと思われても当然だよね。父親らしいことなんか何もしてないもん」
「そうだね」
「あ、フォローしてくれないの?冷たい子だなぁ・・・」

 逆に言えばフォローの余地がないのだが。

「さっきの話の続きだけど、篤志は俺にすごく怒ってたよ。なんで妹を、それも13歳ぽっちで孕ませたんだって理由で」
「そうかな?おっちゃんがバカだからじゃない?」
「そこまで言うなんて!おっちゃんおこだよ!」

 とんでもない話題なのに、ゲラゲラ笑っているこの状況は一体何なんだろう。
 それにしてもおじさん、いい年しておこだよって。

「ごめんごめん。それで?」
「まったく・・・それでね、知らないよレイナがヤラせてくれただけだし、勝手に妊娠したんだからって言ったら、また殴られた」
「当然の報いー!」
「そんなに笑わないでよ」
「だっておっちゃんバカすぎる!」
「そりゃそうだけどさぁ」
「ねぇ、レイナさんはおじさんのどこを好きになったのかなぁ?こんなにバカなのに、すっごくおじさんのこと愛してるもんね」
「え?愛してなんかないよ」

 突然、車内に静寂が訪れた。

「え、え?」

 聞き返すと、おじさんはハンドルを握って前を向いたまま、あっけらかんと言った。

「俺のことなんか愛してるわけないじゃん」

 どういうこと?
 尋ねることが出来た頃には、景色は見慣れた団地に差し掛かっていた。
/324ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ