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泡のように
第33章 32.
 先生はふふっと笑い、首を左右に捻っている。
 職業柄肩こりの酷い先生の太い首にはまだピップマグネループが巻かれているのだろうか。
 
「それだけ?」

 いま先生のクラスの1年坊たちは、教室に現れない担任についてどう考えているのだろう。

「それだけって・・・まぁ、そうだな。それだけだな」

 そして、先生もまた。
 自分自身のことをどう考えているのだろう。

「国語表現、追試受けたら単位くれるの?」

 顔を手のひらで抑えたまま尋ねる。私の声は手のひらのせいで低く篭っていた。

「あぁ、やるよ。だからといって卒業できるかはわかんねぇけど。でもここまできて留年ってのも勿体ねぇし、出来たら卒業させてやりて、」
「違う。先生はそういう話がしたいんじゃないでしょ」
「は?」

 見上げると、先生は新しい煙草を引き抜いたところだった。
 困惑したように、眉が下がっている。

「え、いや、だから」
「何が言いたいの?わざわざ先生に会うために学校に来たんだよ」

 先生は自分勝手な元カノを前に少し不機嫌そうに顔を歪めつつ、ライターで煙草の先端に火を付けた。
 臭いが胃に響いて、ついに私は茂みに吐いた。

「おい、大丈夫か?」

 ほとんど唾液だけの嘔吐物。
 背中を撫でてくれる先生の手が熱かった。

「・・・先生が話してくれないなら、私から話すね」

 ゲロを吐くついでに、気持ちも吐く。

「バカだって、ずっと先生のこと思ってた」

 先生の手は硬直したように背中にくっついたまま離れない。
 何度か咳き込んで、もう止まらなくて。

「私ずっとあんたのこと変態って思ってた。おっぱい触ってきてきもいって思ってた。制服のままでヤルとかマジ迷惑だって思ってたし、早くイケよとか、何回ヤんだよとか、さっさと寝ろよとか、股が痛くて寝れねーよとか、乳首が切れて痛てーよとか、なんべんも妊娠しねーか聞くなよとか、親に私を会わせた時だってあいつら私のこと明らかに無視って馬鹿にしてんのに気付きもしないで笑っててマジ悔しかったし、トイレでヤッたのもほんとは全然興奮なんかしてなかった。本当はあんたのセックスなんか全然興奮してなくて、本当はずっとあんたをお兄ちゃんだと思ってお兄ちゃんに好きとか愛してるって言ってた」

 自分から切り出したくせに振り向く勇気もなく、最低な私はやはり自分本位な涙を流す。
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