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泡のように
第33章 32.
「ほんとは先生なんか全然どうだってよくて、お兄ちゃんがすべてで、お兄ちゃんにフラれた寂しさで似たような背格好の先生がセクハラしてきたのを受け入れて、ヤラせてあげる代わりに好きだよとか言ってもらうの、それだけが欲しくて今まで付き合ってきたんだよ。めんどくさいときはイッたふりもしたし、したくないときはお兄ちゃんのことを思い出しながら抱かれてた。でもそのくせ私がしたいときは誘って、先生は絶対断らないから、都合のいいディルドみたいで楽だなって思った時もあったし、先生のこといつもずっと、遊びで済ませればいいのにこんなバカな女に惚れて本気になってずっとずっとずっとバカだって思ってた。救いようのないバカだっていつも思ってた。指輪まで買ってくれたのに、お兄ちゃんに捨てられても怒んなくて、結婚の約束までしたのにお兄ちゃんの子供を妊娠して、それでもまだ私のことを好きだって言ってしつこくラインしてきて、本気でバカだって、自分が寂しいだけのくせに、私のことなんか愛してないくせに1人になりたくないから、だから私にお兄ちゃんと好きにしろとか認めるフリして、好きだとか、諦められないとか、私に縋り付いてきてバカだって、バカだって、バカだって、私、ずっと・・・・」
涙がとめどなく両目から溢れる。
先生の手はまだ、背中の上。
優しく、撫でてくれている。
「私、ずっと・・・ずっと・・・・いつか先生とほんとうの恋人になりたいって思ってた。ほんとうに先生だけ好きになりたいって。お兄ちゃんのことなんか忘れて、先生だけ好きになりたいって。でも出来なかった。どうしてもお兄ちゃんが心から消えなくて、お兄ちゃんが私を呼ぶと、頭がおかしくなって」
授業開始のチャイムが響く。
それでも先生の手が離れない。
「まるでね、スタンドみたいにお兄ちゃんがずっと背中にくっついてる感じがするの。それで能力が発動して敵とか倒せたりとかテストで簡単に合格点取れるならいいのにそういうわけじゃないし。わかりやすく言うとイルミに洗脳針を刺されたキルアみたいな気分なの。物心ついた頃からずっと・・・ねぇ先生、ハンターハンター読んだことある?」
や、ねぇな。
答えた先生の声は笑っていた。
涙がとめどなく両目から溢れる。
先生の手はまだ、背中の上。
優しく、撫でてくれている。
「私、ずっと・・・ずっと・・・・いつか先生とほんとうの恋人になりたいって思ってた。ほんとうに先生だけ好きになりたいって。お兄ちゃんのことなんか忘れて、先生だけ好きになりたいって。でも出来なかった。どうしてもお兄ちゃんが心から消えなくて、お兄ちゃんが私を呼ぶと、頭がおかしくなって」
授業開始のチャイムが響く。
それでも先生の手が離れない。
「まるでね、スタンドみたいにお兄ちゃんがずっと背中にくっついてる感じがするの。それで能力が発動して敵とか倒せたりとかテストで簡単に合格点取れるならいいのにそういうわけじゃないし。わかりやすく言うとイルミに洗脳針を刺されたキルアみたいな気分なの。物心ついた頃からずっと・・・ねぇ先生、ハンターハンター読んだことある?」
や、ねぇな。
答えた先生の声は笑っていた。