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泡のように
第8章 7.
 夢を見た。

 初潮を迎えた日の夢だ。


 私が初潮を迎えたのは10歳の時だった。
 小学生になった頃から膨らみはじめたおっぱいは、その頃にはCカップくらいあったと思う。
 頭脳の割になぜか身体の発育だけは早かったようだ。
 初潮を迎えた日の晩、お母さんに正座させられ、真剣な顔で言い聞かされた。




「智恵子、よく聞きなさい。あんたは身体だけは大人になったんだよ。学校の帰りやスーパーなんかで、男の人があんたの身体を触らせてとか、あんたのこと可愛いから好きだなんて言っても、絶対に身体を触らせてはいけないよ。男の人があんたにしたがることは、恐ろしく汚らわしいことなんだからね。だから絶対に男の人にはついていかないこと。分かったね?」










 恐ろしく汚らわしいこと。
 薄暗闇の中で私の体を執拗に弄るお兄ちゃんの手のひらの感触が蘇った。
 でも私は何も知らないフリでお母さんに頷いてみせた。
 だって、お母さんの背中の向こうで、お兄ちゃんが鳶色の瞳を見開いて、私をじっと睨み見下ろしていたから。

 



 目が覚めた時、私は自室の二段ベッドの下段に寝かされていた。ご丁寧に肩まで羽毛布団を掛けてもらって。起き上がり下半身を確認すると、寝る前に着ていたのとは違うパジャマのズボンを穿かされていた。が、そのくせノーパンという有り様。

 ズボンの中に手を突っ込んで、熱の残った割れ目に指を差し込み、そしてすぐに引き抜く。
 そして鼻先に近付ける。
 案の定、散々嗅ぎ慣れた男の残骸の匂いがした。


 国公立の大学卒の頭脳ならば、こんなに分かりやすい形跡を残すべきではないと、私は思う。

 私だったら熟睡したところを見計らってコタツをどけてサッサと終わらせる。
 わざわざ抱き抱えてベッドまで運んだり、丁寧にティッシュで後始末をしてから親切に服を着せたり、そんなこと絶対にしない。
 そもそも中に出したりもしないだろう。
 気付いて欲しいのか、欲しくないのか分からない。
 

 居間に戻るとお兄ちゃんの姿はなかった。静寂の中に冷蔵庫のモーター音だけが響いている。コタツの上に丁寧に折り畳まれた長方形のティッシュ紙を見つけ、手に取った。

 中身は分かっている。
 これで3度目になるからだ。
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