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泡のように
第9章 8.
「うーん…いつかハッキリしたら、みんなにも話すね」

 えーっ、教えてよー。5人の黄色いコーラスが中庭に響く。しかしこれ以上はお口チャックだ。

 他人に、それも致命的に口が軽い5人組に自分のプライベートを暴露出来るほど私も馬鹿でない。
 教えてよぉ~としつこく食い下がって来られても、ハッキリしたらね、って言い続ければみんなは飽きて別のセンセーショナルな話題を探すし、じきに「智恵子は秘密主義のつまんない子」って結論付けてくれるだろう。

 春休み中になにがあったって。べつに、これといって何も。ただ、秋芳先生がアパートの合鍵をくれたことくらいかな。
「やるよ、ん」
 って、シャイな小学生男子みたいな仕草でさ。

 最初は週末だけだった。じきに週末から月曜日、月曜日から火曜日ってだんだん長く居座るようになって、当たり前のように先生んちから登校して先生んちに帰るようになって、なんだかんだで今週はまだ一度もウチに帰ってない。

 お母さんには友達んちが学校に近いし親いないから寂しがってて泊まらせてもらってるの、と電話で言っただけ。それだけで納得したのか、お母さんは、迷惑のないようにしなさいよって言って電話を切ってそれ以来音沙汰なし。

 最近じゃ先生は私にお金を渡すようになった。私が学校帰りにスーパーで買い物して、先生が帰宅するまでに食卓、といってもちっさいコタツテーブルの上を私の、味を点数で表すとするならば現代文の再々追試よりははるかにマシな55点くらいの手料理、で、いっぱいにしておくためだ。

「帰ってきたら部屋に灯りがついててさ、メシが出来てて、可愛い彼女におかえりって笑顔で言ってもらえるって、意外と嬉しいもんだな」

 問題児が集結した1年生のクラス担任になった先生は仕事に疲れているのか、毎朝晩私を抱きすぎてさすがに精根尽きかけなのか、柄にもないことを私に言う。
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