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泡のように
第11章 10.
笑いながらのそりと起き上がり枕元の煙草に手を伸ばす。
「ちょっと冷えるな」
箱から引き抜いたばかりの煙草を指のあいだに挟んで空調の温度設定をしている。外は今日も蒸し暑いのだろうか。
「みんな今頃飛行機の中かな」
先生の腕の中に滑り込むと、先生はそっぽ向いて煙をフーと吐き出した。
「さぁ、何時出発だって?」
「知らない」
ハハハ、馬鹿にしたような呆れたような先生の笑い声が天井に響く。
「だってしおりとか読んでないもん。空港に集まってるってのはわかるんだけど」
「どっちみち行く気なかったみたいだな」
「ねぇ、修学旅行のお金いくらくらい返ってくるかな?」
「来週にはわかるだろ」
「そのお金でまたここ、来ようよ。昨日はすごかった」
腕に絡みついてウフフと笑ってみせると、先生は煙草臭い口で私にキスをした。
「マジでお前、俺がいなきゃどうなっちまうんだ?修学旅行より俺がいいなんてさ」
煙草を挟んだままの手が私の胸を撫でる。
小さな熱にじんと身体が疼く。
「だってシーサーより先生のが好きだもん」
「そりゃそうだろうけどさ。つうかお前昨日薬飲んだか?」
何も身につけていない背中が涼しくなった。
「先生んちに忘れてきちゃった」