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泡のように
第11章 10.
 時として文系男の発言は難解だ。
 バカな私でも分かる単純な言葉で述べて欲しいと思う。

「と、申しますと?」
「デキたら生めばいいだろ」

 この男は昨今の妊娠出産に於ける諸費用概算を理解していて発言しているのだろうか?
 以前保健体育の授業で担当教員が切々と金銭面の話をしていたことを思い出す。
 確か45万。
 最低でも出産までに入院費込みで45万は掛かると言っていた。
 出産育児一時金があるじゃないか!と思うが、健康保険の関係上、万が一でももらえなかったら全額自腹だ。
 我々のようなバカな高校生にはいくら性感染症がどうのとか倫理的になんて言っても理解できないから具体的な金の話をしたらむやみに避妊なしのセックスをしないと思ったのだろう。
 賢い教員だと思う。
 事実グループの連中は見事にビビリ上がってしまい、
「絶対ゴムつけなきゃ」「45万は無理だわ」と口々に呟いていた。
 
 さて、目の前にいる秋芳先生は我々よりははるかに賢いはずだ。四大卒の高校教員。なぜそいつが軽々しく妊娠してもいいじゃんなどと言うのか。
 私を馬鹿にするにも程がある。

「バカな女だと思ってバカにしないでよ。デキたら生めなんて、そんなお金あるわけないし、いくらなんでもひどい。先生のこと見損なった」

 たぶん、初めて先生に怒ったと思う。
 そこらへんにあった手頃なアルミ製の灰皿を投げつけ、ベッドから下りる。
 吸殻にまみれて先生は、やっぱり笑っていた。

「バカはお前だろ。言ってる意味わかんねぇかな、デキたら一緒になればいいって言ってんだよ。あーあ、どうすんだこれ」

 
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