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泡のように
第12章 11.
「えっ、ちょっとお母さん!?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫だから。
あの、急なことでね、お母さんもね、受け止められないのよ。
いや、まさかあんたまで、お兄ちゃん、篤志がてっきり熱中症か何かで頭フラついてただけかと思ってたのに、あぁもうあんたたちね、ドッキリなら病人相手に度が過ぎてるわ、確かにお母さん、ずっと食べ過ぎてたって後悔してるのよ。さすがにあんドーナツを毎日4個食べたのはダメだったわ。
夜中のラーメンもダメだった。
ラーメンだけならまだしも残った汁にご飯入れて食べてたのが最悪だったわね。
煙草もいけなかったって反省してる。
退院したらビリーズブートキャンプにチャレンジしてスリムになるわよ、キツイって噂だけど、ブームも去ってブックオフで安売りしてるから絶対買うって約束する。
だから悪い冗談はよしてちょうだい」
お母さんは青ざめた丸い顔に手を当ててペラペラ意味不明なことを捲し立てている。もしかして急に症状が出始めたのだろうか?ナースコールを押すべきか?迷っているとお母さんは更に言った。
「ねぇ智恵子、確かにあんたらは血は繋がってないけど、一緒に育った兄妹でしょ?」
言い終わる前にお母さんの青ざめた顔が歪み、目尻から涙が溢れ落ちた。肩が小刻みに震えて、鼻がグズグズ鳴り出す。
急に泣き出したお母さんに、私はどうしたらいいか全くわからなかった。
「今朝篤志が出勤前に来てね、いきなりあんたと結婚したいなんて言い出したのよ。兄妹なのに結婚なんて、まともじゃないわ。篤志があんなこと自分で決めて言い出すはずないわ。あんたが篤志に、なにか吹き込んだんでしょう」
6人部屋のベッドは空きがない。
静まり返った室内に震えるお母さんの声が響く。
「あんたが前、篤志と結婚するなんて冗談言うから、お母さんあんたに、まさか篤志とセックスしたいの?なんて聞いたでしょう。あれを真に受けて、篤志を唆したんじゃない?毎日セックスさせてあげるから結婚してとか、そういう風に」
お母さんが何を言い出しているのかようやく気が付いて、慌てて首を左右に振った。
「大丈夫、大丈夫だから。
あの、急なことでね、お母さんもね、受け止められないのよ。
いや、まさかあんたまで、お兄ちゃん、篤志がてっきり熱中症か何かで頭フラついてただけかと思ってたのに、あぁもうあんたたちね、ドッキリなら病人相手に度が過ぎてるわ、確かにお母さん、ずっと食べ過ぎてたって後悔してるのよ。さすがにあんドーナツを毎日4個食べたのはダメだったわ。
夜中のラーメンもダメだった。
ラーメンだけならまだしも残った汁にご飯入れて食べてたのが最悪だったわね。
煙草もいけなかったって反省してる。
退院したらビリーズブートキャンプにチャレンジしてスリムになるわよ、キツイって噂だけど、ブームも去ってブックオフで安売りしてるから絶対買うって約束する。
だから悪い冗談はよしてちょうだい」
お母さんは青ざめた丸い顔に手を当ててペラペラ意味不明なことを捲し立てている。もしかして急に症状が出始めたのだろうか?ナースコールを押すべきか?迷っているとお母さんは更に言った。
「ねぇ智恵子、確かにあんたらは血は繋がってないけど、一緒に育った兄妹でしょ?」
言い終わる前にお母さんの青ざめた顔が歪み、目尻から涙が溢れ落ちた。肩が小刻みに震えて、鼻がグズグズ鳴り出す。
急に泣き出したお母さんに、私はどうしたらいいか全くわからなかった。
「今朝篤志が出勤前に来てね、いきなりあんたと結婚したいなんて言い出したのよ。兄妹なのに結婚なんて、まともじゃないわ。篤志があんなこと自分で決めて言い出すはずないわ。あんたが篤志に、なにか吹き込んだんでしょう」
6人部屋のベッドは空きがない。
静まり返った室内に震えるお母さんの声が響く。
「あんたが前、篤志と結婚するなんて冗談言うから、お母さんあんたに、まさか篤志とセックスしたいの?なんて聞いたでしょう。あれを真に受けて、篤志を唆したんじゃない?毎日セックスさせてあげるから結婚してとか、そういう風に」
お母さんが何を言い出しているのかようやく気が付いて、慌てて首を左右に振った。