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藍城家の日常
第4章 手取り足取り腰取り

誉がしならせた白い背中は夕日を映して濃い橙色に染まっている。
書斎の中も何もかもが、西の戸から差し込む夕日に照らされて、昼間の暑さをまだ残して、なんとなく蒸していた。

熱い……


「今回は許してやるが……次はねぇ。分かったな……」

『はいっ、んぁ……、はい……っ』


夜光に髪を梳かれながらそう叱られて、誉はこくこくと何度も頷いた。


「……っ!締りが、すげぇな……まるで、絶対に離れないように、握りしめられてるみてぇだ……」


掴んだ腰を動かしてグチグチと中を掻き回すと、夜光は小さく息を吐いて、悩ましげに顔を歪める。

あぁ……美しい……

ご無沙汰だったその表情に、誉の中の炎がまたボッと燃え上がる。


『あっ、ん……!も、はなれないで、ぬかないで、ください……っきすも、たくさんして……っ』


ああ、もう何だか自分を投げ捨てて没頭したい。
はしたないだとか、そんなこと考えないで、どこまでも貪欲に求め続けたい。

誉は滑るように、夜光の着物の中に手を這わした。
首筋から鎖骨、その下へ……汗で湿り始めた、彼の少し冷たい肌を触りながら、少しずつ暴いていく。

着物がもどかしい。
邪魔で仕方がない。

肌と肌を重ねたいのに……


「はっ……、えらく、積極的だな……ほら、くれてやるから好きに動け……」

『はひ、ぁっ……あんっ!は、はっ……奥が、こんこん、あたってる……っ、ふぁああっ』


夜光の着物は大きく乱れて、その滑らかな肌をさらけ出す。
下から力強く突き上げられて、のけ反った誉の顎から伝ってきた汗の雫が、彼の胸の上にぽたりと跳ねた。

その一突きに導かれて、誉は自ら腰を揺らし始める。
それは普段の彼女には到底につかない、別人のような光景だった。


『ひ、ひぅっ……!これ、あっ、ああ……っ!きもちいっ……ぁあアああっ』


奥が当たる度に、まるで鐘が突かれて音が遠くまで響くような快感が、ぶわりと体を回る……

夜光の首に絡み付く誉の細腕。
夜光の耳元で聞こえる誉のふぅふぅと荒くなった吐息。


「……はぁっ……」


それがまた、夜光を煽る。


「お前は……っ本当に……、」


ーーー可愛いな……っ


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