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藍城家の日常
第6章 我妻のこと
彼女は背を屈ませて跪く。
熱く反り立ったその杭の根本をそっと両手で包みながら、俺の合図を待っている。
おあずけをくらう忠実な犬のように。
ひたむきな、物欲しそうな、まっすぐな、その視線をしっかりと反射させて、俺は誉の乾き始めた髪を耳にかける。
それから濡れている方の指で愛らしい菓子のような唇をなぞると、唇は開いて舌を出した。
夜光はいつもの、おしゃぶりをさせる前の順序を踏んでいく。誉の口の柔らかさを確かめるように行う、あの口の中の愛撫。
『あむ……っふ、あ、はん……』
口の中を好きにされるときの誉は、いつも思いのほか気持ちよさげな顔をしている。
『んく、』
唇の端から溜まった涎が顎に伝う頃に指を引き抜く。
そうすると、俺が口を開く前にはもう、誉は自分から自身への愛撫を始めている。
……まだ何も知らなかった頃は、あんなに嫌がっていたのに。
慈しむようにゆっくりと口付けをしてから、一度根元から先まで舌を這わせる。
そうして、ちらりと上目遣いでこちらの様子を窺うのだ。
……その宝石のような瞳を縁取る、目元の艶めかしさ。
ぴく、とそそり立つものが弾む。俺はごくりと、息を飲む。
なぁ……それは、
わざとやっているのか?
「しゃぶれ……奥まで」
『っはい……』
じゅぶ……
誉の小さな口がずぶずぶと熱の塊を食っていく。
こつんと喉に先が当たると、一瞬誉は苦しそうに顔を歪めて、頭を少し引き戻す。
『んっ、ぐ……ふ、ぢゅっ……うぶ……っ』
「は……っ上手いな、良い子だ……」
舌の先を固くしながら裏を刺激されて、自身はまたむくむくと膨らんでいく。
くわえたまま汁を啜る音、喉から洩れるくぐもった彼女の声、己の小さく放たれる吐息が混ざりあって、部屋に響き渡る。
随分と上達した誉の口技は、どうすれば俺が気持ちよくなるのかをしっかりと……覚えているのだ。
俺は瞳にうっすら涙を浮かべて奉仕する誉の髪をゆっくりと梳いたり、小さな耳をふにふにといじったりした。
「もういい……それくらいで」
『ん、んんっ……ぷぁっ!』
誉の口からそれはブルリと勢いよく姿を見せ、彼女の熱い息がかかる度、揺れている。
『はぁっ、はぁっ……ふ、ん……夜光、さま……』
あぁ、
また、大層物欲しそうな表情だ。