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藍城家の日常
第2章 出逢いのち初夜
「大丈夫……?」
『こっ虹覇(こうは)様!』
後ろには心配そうにこちらを見る男の子。
彼こそ、この国の皇子、虹覇様だ。
歳は6つ程なのに、外へは行かずに部屋に籠って本の虫になっている変わり者。
『申し訳ございません……私が廊下を滑ってしまって、お召し物を落としてしまいました。洗い直しますから、どうかもう少しお待ちくださいませんか……?』
誉は緩く畳み直した衣服を抱いて、深々と頭を下げた。
虹覇は首を横に振って、可愛らしい笑みを浮かべる。
思わずきゅんと胸を打たれるような天使の笑みだ。
「別にいいよ、落としたぐらいでそんなに汚れたわけじゃないし……僕それほど潔癖症じゃないよ」
噂通り、虹覇様はとても優しい性格をしている。
優しすぎて、それを逆手にとられまいかと皆心配しているらしい。
『ですが……』
「早く部屋にいれちゃってよ。見つかっちゃうよ、ほらほら」
『は、はい……』
虹覇は戸惑っている誉の背中を小さな両手で押す。
誉はされるがままに、皇子の部屋へと入っていってしまった。
パタン、と閉じた扉。
それを男は、じっと見つめていた。
『こっ虹覇(こうは)様!』
後ろには心配そうにこちらを見る男の子。
彼こそ、この国の皇子、虹覇様だ。
歳は6つ程なのに、外へは行かずに部屋に籠って本の虫になっている変わり者。
『申し訳ございません……私が廊下を滑ってしまって、お召し物を落としてしまいました。洗い直しますから、どうかもう少しお待ちくださいませんか……?』
誉は緩く畳み直した衣服を抱いて、深々と頭を下げた。
虹覇は首を横に振って、可愛らしい笑みを浮かべる。
思わずきゅんと胸を打たれるような天使の笑みだ。
「別にいいよ、落としたぐらいでそんなに汚れたわけじゃないし……僕それほど潔癖症じゃないよ」
噂通り、虹覇様はとても優しい性格をしている。
優しすぎて、それを逆手にとられまいかと皆心配しているらしい。
『ですが……』
「早く部屋にいれちゃってよ。見つかっちゃうよ、ほらほら」
『は、はい……』
虹覇は戸惑っている誉の背中を小さな両手で押す。
誉はされるがままに、皇子の部屋へと入っていってしまった。
パタン、と閉じた扉。
それを男は、じっと見つめていた。