この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
藍城家の日常
第2章 出逢いのち初夜
離れていく宮殿を、誉はすがるような目で見つめた。
(炎鬼兄さんはどれほど心配するのだろう……)
三日ほどの出張だと聞いていたから、私のことを知るのはいつになるのか知れない。
『兄さん……』
夜光のものになるということは、あまり炎鬼に会えなくなるかもしれないということだ。
(炎鬼兄さん、急にこのようなことになってしまってごめんなさい。私は大丈夫です。だからどうか、心配しないでください……)
誉はきゅっと唇を結んで、いつまでも宮殿を見つめていた。
それきり誉の姿は、宮殿からぱたりと消えてしまった。
(炎鬼兄さんはどれほど心配するのだろう……)
三日ほどの出張だと聞いていたから、私のことを知るのはいつになるのか知れない。
『兄さん……』
夜光のものになるということは、あまり炎鬼に会えなくなるかもしれないということだ。
(炎鬼兄さん、急にこのようなことになってしまってごめんなさい。私は大丈夫です。だからどうか、心配しないでください……)
誉はきゅっと唇を結んで、いつまでも宮殿を見つめていた。
それきり誉の姿は、宮殿からぱたりと消えてしまった。