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藍城家の日常
第2章 出逢いのち初夜
誉は自分が来ている白い衣を見下ろす。
下は薄い襦袢(下着のようなもの)のみ。

誉はゆっくり、胸元の襟を手でなぞった。
夜光のものになるということは、そういうことだ。

今夜彼と契りを結ぶーーー



(誰でも良い……いつかこうなる日が来るのだから、それと同じ……)

でも……


「何を考えている……」


……タン、と襖が閉められる。
音もなく現れた夜光に、誉はびく、と肩を震わせた。

『……っ』


何も答えない誉を夜光は押し倒し、覆い被さる。
誉の両手は、彼の大きな手によって、柔らかい布団の上に押し当てられた。

決して強い力で押さえつけられているわけではないのに、かっちりと固く拘束されているように動かない。


「待たせたな。……さぁ、昼間の続きをしようか……」


夜光は妖しく笑った。

……ちろ


『ひ……!』


悲鳴に近い声が漏れた。
誉の衣に劣らぬ白い首筋に、ねろりと赤い舌が這う。

夜光は誉の反応を楽しんでいるようだった。


「……選べ、今の俺は気分が良い。お前に選ばせてやる……俺のものになって、抱かれるか。それとも……」


すっ……
離れた舌と、離れて消えた彼の温もり。


「……家に帰してやろうか」


行灯のみの薄暗い部屋で見えた、うっすらと弧を描く夜光の唇。
誉は、彼の言葉に目を見開いた。


『それ、は……』

「答えろ」


どもる誉を、嘲笑を浮かべて見つめる夜光の声は冷たくて低い。

決して有無を言わさないというような凄み。


『分かり、ません……』

「………」


もう引き戻れないと思って腹をくくりかけていたのに、そんなことを言うなんて。


「まぁ、良い……どちらにせよ」


くっ、と喉から低く笑う声が降る。


「お前は俺に抱かれるだけだ……」

(あぁ……)

『拒否権など最初からなかったのですね……』


誉は心の中で自嘲して、目を伏せる。
先程の言葉はただの戯れに過ぎなかったのだ。


「それを望んでいたお前がよく言う…… 」

『あっ……』


夜光は耳元でそう囁くと、再び誉の首筋に舌を這わせた。


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