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藍城家の日常
第1章 私の旦那様
(……)

日が沈む。
このお屋敷で一番小さい四畳半の部屋は、たちまち薄暗さを増した。

ここは私達夫婦の寝室だ。
文字通り私たち夫婦が寝るためだけの部屋。
だけど……

目の前の襖の向こう、この小さな寝室の隣には、夫婦がゆったりとできる広い空間が設けてあって、

そこには子供たちが足を運ぶことも多い。

だけど今居るこの部屋は、何があっても、誰も入ってはいけない場所。

子供たちはもちろん、私でさえ許可なくしては入れない。

夜光様だけが、好きにできる部屋なのだ。

部屋には一枚の布団のみ。
私を愛して頂ける部屋にもなれば、私がお仕置きを受ける部屋にもなる。


この部屋に入ったら、暗黙のルールを守らねばいけない。


“夜光様の言うことに従う”




逃げてはいけない。

万が一逆らったらどうなるか、よく分からないけれど……

私は逃げるはずがない。

逃げることなんてできないことは知っている。
私は“籠の鳥”なのだと分かっている。

それに、何より私は……




「お前は誰のものだ」


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