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藍城家の日常
第2章 出逢いのち初夜
「入れるぞ……力を抜け」


ぶっきらぼうに言う夜光なのに、片手は誉の頭に添えてあって、撫でてくれる。

予想外な夜光の行動に、誉は少し驚いたが、それが何よりも心強い。

誉は深呼吸をして、体の力を抜いた。


『ぅ……っ』


ぐちっ……

あてがわれていた先が、ゆっくりと、狭い誉の中にめり込んでいく。

刺すような痛みが誉をじわじわと襲った。


『ぃ、いた……っ』


誉の顔がくしゃりと歪む。


「は……っ、まだ先すら、入ってねぇぞ……」


無意識に逃げようとする誉の腰が、夜光の片手にさっかりと掴まれる。

めりめりっ!


『ぅ、うぐ、ぅぅう……』


先がぐいぐいと、無理矢理に押し込まれていく。
蜜で滑りがよくなっていても、膣穴は異物を拒否して侵入することを許さない。

誉はぎゅっと目を瞑った。


「力を抜けっ!」


夜光は体を前に乗り出して、誉の首筋に顔を埋めた。
ふたりの体がぴったりと重なる。

自分よりも、彼の肌は少し冷たい。
お互いの温もりが、混ざりあっていく。


『やこう、さま……』


誉がきゅっと、その背中にしがみついたその時ーーー


ブツッ!

「くっ……!」

『ぁあ゛っ……!!』


誉の悲鳴に近い、掠れた声が漏れる。

まるでひっかかっていた何かが外れるように、果肉がこじ開けられた。


『ぃ、いたぃいいいっ!』


中が裂けたーーー


「っまだだ……全部、ぅっ……入ってねぇ」


そのままゆっくり、夜光は自身を根元まで埋めた。

下腹部の違和感が酷い。
無理やり押し入れられて内臓が、圧迫されているみたい……


(苦し……)

『ぁあ、……やこうさま、やこうさま……』


ツ……

誉の目の端から、滲んだ涙が流れた。
繋がった部分から滲んだ鮮血が、白い布団に染みを作る。


「この痛みは一生に、一度しか……っ味わえん。ゆっくりと味わえ……っ、ゆっくりと……」


夜光の息は少し乱れていた。

彼の表情から見て、彼も苦しくないはずないのに、片手は、ずっと


誉の柔らかい髪をすくように、撫でてくれる。




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