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藍城家の日常
第3章 桃のシロップ漬け
美しい顔。

昨夜、行灯のオレンジ色の光に照らされていた彼とはまた違う。

朝の柔らかな日差しに当てられた彼は、すべてが光輝いていて、神々しくさえ見えた。


『夜光様……』


(あぁ、また……)


その赤い瞳に、絡めとられる。
凛としていて、どこか艶かしい目元にはめこまれた、宝石のような赤。

私をまっすぐ見て放さない。
私も目が放せない。

吸い込まれていく……


『ゃ……』

「……今度は抵抗するか?したいのなら好きにしろ。……それができるなら」


くっと笑って、夜光は誉の頭を寄せた。


『ん……っ!』


濡れた唇と唇が重なる。
優しく押しあてられて、夜光の舌が誉の唇を沿う。


ぴちゃ……

「開けろ……舌を出せ」

『あぁ……』


誉は弱々しく、舌を出した。
その声に、抵抗できるわけがない……

舌と舌が、交わる。


『ぁ……ふ……っ』


桃の味が一層濃くなって……


『は……んぁ』


夜光の舌は、誉の歯茎から何までを確かめるように這い回っている。
されるがままに受け止める誉の唇から、鳴き声が
漏れた。


(苦しい……っ)

「……」

『……ゃっ』

(だめ……息が、続かない……!)


夜光は酸欠になりつつある誉から少し離れた。
赤くなった頬に、熱い吐息がかかる。


『はっ……はぁ……っ』

「……もう一度言わなければ分からねぇか?お前のその低い鼻は何のためにある」


彼はそういう時は鼻で息をしろと言っていた。
だけど……


『そんな……とても、頭がついていかなくて』


呆れ口調の彼に、誉は少しむっとした顔をする。
よくそんな器用なことができると誉は思っていた。


「そうか……なら、」


夜光はにやりと悪そうな笑みを浮かべる。
嫌な予感がしたのも束の間、誉の体は持ち上げられて、夜光の膝の上に乗せられてしまった。

誉の頭が少し高くなって、夜光を見下ろす形になる。


「お前が口付けの息の仕方を、覚えるまで練習するまでだ。早く慣れろ……」



そう言って、目を見開いた誉が何か言い出す前に、夜光は小さな桃の欠片をその口に押し込む。

そうして、すぐに誉の唇を塞いだ。



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