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藍城家の日常
第1章 私の旦那様
夜光は静かに、誉のそばへ来た。
何も言わずに、誉の頭の後ろ側に両手を伸ばして、猿轡がわりになっていた布をほどく。
彼の指の、自分の髪をかきあげた感覚が、 心地よい。
唾液で湿った布を外し、てらてらと濡れた誉の口元を、夜光は自分の着物の袖で拭った。
『わた、しは……夜光様の、ものです……』
誉はやっと言葉にできた。
夜光は無に近い表情を変えずに口を開く。
「あぁ、そうだな……。それなのに、お前は浅ましくも約束を破ったな」
約束は、“男を屋敷に入れる場合、夜光様の許可を得る”ということだった。
『すみま、せん……私は、約束を、守りませんでした……炎鬼(えんき)様なら良いかと、思ってしまったから……』
「関係ねぇ……男は男だろうが……」
『あぅう!』
夜光は誉の固くなった蕾を強く摘まんだ。
びりびりと電流が流れる。
誉は唸り声を上げて体を反らしたり、ねじったりした。
『ぁ……あっ、はぃぃ……』
その通りだ。
それに、炎鬼は誉の実質の兄ではない。
しかし誉は幼い頃から世話になっているので、彼女の中では本当に兄のような存在なのだ。
夜光様はそのことを分かってくださっているのか、今回のお仕置きは比較的軽くしてくれたのだと思う。
もし、私が知らない男でも屋敷に入れたとしたら……
ぶるりと体が震える。
今私はどうなっていただろう。
『もう致しません……お許しください、どうか……』
何も言わずに、誉の頭の後ろ側に両手を伸ばして、猿轡がわりになっていた布をほどく。
彼の指の、自分の髪をかきあげた感覚が、 心地よい。
唾液で湿った布を外し、てらてらと濡れた誉の口元を、夜光は自分の着物の袖で拭った。
『わた、しは……夜光様の、ものです……』
誉はやっと言葉にできた。
夜光は無に近い表情を変えずに口を開く。
「あぁ、そうだな……。それなのに、お前は浅ましくも約束を破ったな」
約束は、“男を屋敷に入れる場合、夜光様の許可を得る”ということだった。
『すみま、せん……私は、約束を、守りませんでした……炎鬼(えんき)様なら良いかと、思ってしまったから……』
「関係ねぇ……男は男だろうが……」
『あぅう!』
夜光は誉の固くなった蕾を強く摘まんだ。
びりびりと電流が流れる。
誉は唸り声を上げて体を反らしたり、ねじったりした。
『ぁ……あっ、はぃぃ……』
その通りだ。
それに、炎鬼は誉の実質の兄ではない。
しかし誉は幼い頃から世話になっているので、彼女の中では本当に兄のような存在なのだ。
夜光様はそのことを分かってくださっているのか、今回のお仕置きは比較的軽くしてくれたのだと思う。
もし、私が知らない男でも屋敷に入れたとしたら……
ぶるりと体が震える。
今私はどうなっていただろう。
『もう致しません……お許しください、どうか……』