この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater18.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
藍城家の日常
第1章 私の旦那様
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「……」
夜光は黙ったままだ。
『夜光様……』
誉の頬に張り付いた髪が、夜光の指によって耳にかけられる。
もう片方も、耳にかける。
誉は瑞々しい桜桃色をした唇を開いて、舌を少し出した。
『んぁ』
彼が誉の髪を耳にかけるのは、“おしゃぶり”の合図だ。
指が二本、口の中に侵入して、何かの生き物のように動きながら這い回る。
『はむ……ぁぶ、ん……』
くちゅ、
こうやって、誉の唇、舌、口内の柔らかさを、まず夜光の指が確かめるのだ。
指の腹が擦れて気持ちが良いので、誉は“おしゃぶり”のこの流れを気に入っている。
(欲しい……お口が寂しいのです。早く、お口の中を夜光様のものでいっぱいにして欲しい……っ)
ちゅぷ……っ
誉の気持ちを見破ったように、指が引き抜かれる。
唾液の糸が伸びた。
(早く、早く、早く)
舌をつき出して、彼を見上げる。
じゅわじゅわとよだれが出てくるのが分かる。
(まるで餌を待つ犬みたい……)
誉は思った。
夜光は黙ったままだ。
『夜光様……』
誉の頬に張り付いた髪が、夜光の指によって耳にかけられる。
もう片方も、耳にかける。
誉は瑞々しい桜桃色をした唇を開いて、舌を少し出した。
『んぁ』
彼が誉の髪を耳にかけるのは、“おしゃぶり”の合図だ。
指が二本、口の中に侵入して、何かの生き物のように動きながら這い回る。
『はむ……ぁぶ、ん……』
くちゅ、
こうやって、誉の唇、舌、口内の柔らかさを、まず夜光の指が確かめるのだ。
指の腹が擦れて気持ちが良いので、誉は“おしゃぶり”のこの流れを気に入っている。
(欲しい……お口が寂しいのです。早く、お口の中を夜光様のものでいっぱいにして欲しい……っ)
ちゅぷ……っ
誉の気持ちを見破ったように、指が引き抜かれる。
唾液の糸が伸びた。
(早く、早く、早く)
舌をつき出して、彼を見上げる。
じゅわじゅわとよだれが出てくるのが分かる。
(まるで餌を待つ犬みたい……)
誉は思った。
![](/image/skin/separater18.gif)
![](/image/skin/separater18.gif)