この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
藍城家の日常
第4章 手取り足取り腰取り
微かに障子が閉まった音と、遠ざかっていく足音が聞こえる。
『ぅ……っふー……、ふーっ、ふっ』
訪れた静けさの中で、肉棒をくわえたままの誉の荒い呼吸だけが書斎に響いていた。
、
頭を掴んでいた夜光の両手が緩くなったので、
『かは……っ!』
誉はすぐさま、勢い良く頭を上げた。
『……っげほ……こほっ、ぅ、ん……は、はぁ……っげほっ!』
激しくむせ込んで、広げた両手に口の中に溜まっていた白濁を吐き出す。
そうして、誉は深呼吸を繰り返した。
ようやく息苦しさから解放されると、込み上げていた吐き気も引いてくる。
誉はキッと、夜光を睨んだ。
「何だ……その反抗的な目は」
『いくら、なんでも……酷いでは、ないですか……!』
誉の顔は涙と唾液と汗でぐっしょりと濡れて、目尻や頬は赤みを帯びている。
耐えきれないで声を上げたら絶対に見つかっていた。
ひょっとしたら、もう感づかれている可能性だってある。
何てこと!
怒りやら恥ずかしさやらでプルプル震えている彼女を、夜光は一瞥しただけ。
「知るか……たまたまだから仕方ねぇだろうが……それよりも、誉。吐き出しやがったな……」
グッと顎を強く掴まれて、持ち上げられる。
『……まさか、飲めと?』
「そういうものだ」
飲む?
信じられない。
眉を潜める誉に、夜光は無表情で頷いた。
『そんなこと分かりません!今日は飲め、なんて仰っていませんでした。それに……』
誉はさすがに反抗的になって、顔を歪めべっと赤い舌を出す。
『……不味いです、これ……』
まだ舌の上に、生臭い匂いや、粘っこい感触や、苦い味が残っている。
すごく変な感じだ。
「……なら、慣れるしかないな?言っただろ……これからお前の義務になると。それに、義務を全うすると言ってたのはどこの誰だ……?」
掴んだ顎をこちらに向けて、ずいっとその綺麗な顔を近付けた夜光。
『ぅ……』
口元に悪い笑みを浮かべた彼の威圧感に負けじと、誉は睨み返すも、結局怯んでしまう。
「これからゆっくり教えてやる……」
『……っ』
意地悪なその表情と口調とは裏腹に、誉の頭を撫でる手だけは優しい。
そういうところ、ズルいと思う。
誉はまた、燻った熱の出所を塞がれて、翌日を過ごすことになってしまった。
『ぅ……っふー……、ふーっ、ふっ』
訪れた静けさの中で、肉棒をくわえたままの誉の荒い呼吸だけが書斎に響いていた。
、
頭を掴んでいた夜光の両手が緩くなったので、
『かは……っ!』
誉はすぐさま、勢い良く頭を上げた。
『……っげほ……こほっ、ぅ、ん……は、はぁ……っげほっ!』
激しくむせ込んで、広げた両手に口の中に溜まっていた白濁を吐き出す。
そうして、誉は深呼吸を繰り返した。
ようやく息苦しさから解放されると、込み上げていた吐き気も引いてくる。
誉はキッと、夜光を睨んだ。
「何だ……その反抗的な目は」
『いくら、なんでも……酷いでは、ないですか……!』
誉の顔は涙と唾液と汗でぐっしょりと濡れて、目尻や頬は赤みを帯びている。
耐えきれないで声を上げたら絶対に見つかっていた。
ひょっとしたら、もう感づかれている可能性だってある。
何てこと!
怒りやら恥ずかしさやらでプルプル震えている彼女を、夜光は一瞥しただけ。
「知るか……たまたまだから仕方ねぇだろうが……それよりも、誉。吐き出しやがったな……」
グッと顎を強く掴まれて、持ち上げられる。
『……まさか、飲めと?』
「そういうものだ」
飲む?
信じられない。
眉を潜める誉に、夜光は無表情で頷いた。
『そんなこと分かりません!今日は飲め、なんて仰っていませんでした。それに……』
誉はさすがに反抗的になって、顔を歪めべっと赤い舌を出す。
『……不味いです、これ……』
まだ舌の上に、生臭い匂いや、粘っこい感触や、苦い味が残っている。
すごく変な感じだ。
「……なら、慣れるしかないな?言っただろ……これからお前の義務になると。それに、義務を全うすると言ってたのはどこの誰だ……?」
掴んだ顎をこちらに向けて、ずいっとその綺麗な顔を近付けた夜光。
『ぅ……』
口元に悪い笑みを浮かべた彼の威圧感に負けじと、誉は睨み返すも、結局怯んでしまう。
「これからゆっくり教えてやる……」
『……っ』
意地悪なその表情と口調とは裏腹に、誉の頭を撫でる手だけは優しい。
そういうところ、ズルいと思う。
誉はまた、燻った熱の出所を塞がれて、翌日を過ごすことになってしまった。