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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第31章 新婚生活(?)
 そう語る可美村の脳裏には、しゃがみこんで下から悩まし気な表情で見上げる華の表情があった。
 あの時何が起きていたのかは理解していない可美村ではあったが、情欲の真っただ中にいた華の表情をまともに目にしたことは、華のことを色気を十分に含んだ「女」として理解させたのである。

 「ちょっと…可美村くん。変なこと考えちゃ、だめよ?」
 「わっ、なっ、何言うんだ!当たり前じゃないか!」

 可美村にとっては恋人の娘でしかないが、真知子はすでに華が父と関係を結ぶほどに成熟していることを知っている。
 真知子の代わりに可美村の横に座る女性になってしまう可能性だって想像出来てしまうのだ。

 「ふふ、ごめん。私、考えすg…」

 そこで真知子の言葉は途切れ、息が止まった。そして同時に足も止まる。
 その視線の先には、ユサユサと揺れる、見慣れたワンボックスがあった。

 長年、夫や娘たちと楽しく過ごした車である。見まがうはずもない。
 それが今、自分が乗っていないにもかかわらず、視界の中で大きく揺れ続けている。

 真知子にとっては、中で何が行われているのか、そして誰がそこにいるのかはもはや明白であった。
 しかし可美村にその事実が想像できるはずもない。

 「なに?どうしたの……ぅわ…ありゃ、ヤッってるな……なに?あれ見て真知子も興奮しちゃったの?」

 そんな可美村の軽口に答える力もなく、真知子はギュッとこぶしを握り締め、唇を噛んだ。


 「…真知子?」
 「ぇっ?あ、ああ。ご、ごめんね…可美村くん…」
 「…どうしちゃった?気分でも悪い?」
 「ううん…違う、違うの…ごめんね…行こ…」

 そういう真知子の双眸から、ポロ、と一筋。涙がこぼれ落ちた。

 事情のわからない可美村は慰めの言葉を持たず、ただ黙って真知子を抱き寄せる。
 そして二人は可美村の車に向かってゆっくりと歩いていった。
 

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