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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第33章 平穏と、それから危機
「まあ、もう少し様子を見ないといけませんが、おそらく大事には至らないでしょう。エコーの様子も…異常は、ない。」
病院の先生は、モニターに映る画像をマウスでカチカチと切り替えて見せながら、私を安心させるように優しい調子でそう言いきってくれた。
「ただ、ずいぶんと無茶をしたみたいですね。まだ安定期にもなっていないのに、何か起きても不思議じゃなかったかもしれませんよ?」
「無茶、って…」
「ん、んんまあ、そりゃ…」
「あ…い、いいです。……なんとなく、わかります。」
私だってこの先生から見ればまだまだ子供なんだろう。それをどういう風に表現していいのか、迷ったみたいだ。
「うん。そう。あと、あれね。あれっきり診察にも来なかったけど、ちゃんと定期的に検診にも来てくれないとね。」
この病院は以前、柚子を診断してくれた産婦人科で、救急病院ってわけでもないのに夜中に私たちを受け入れてくれた。
柚子は結局一度も診察には来ていなかったようだ。
「とにかく、今夜一晩は入院してもらって様子を見ましょう。妹さん、若いし体力もあるみたいだから回復も早いと思いますよ。……ああぁ、まあそう悲壮な顔しないで。大丈夫だから。」
そこまで聞いて、ようやく私は少し安心をした。
緊張の糸が切れると、どっと疲れが出たけれど、そこで私まで倒れるわけにもいかなかった。
「あの、今晩は付き添ってもいいですか?」
「相部屋だから静かにしておいてもらわないといけないし、横になる場所もないけど…大丈夫ですか?お姉さんも疲れた顔してますよ?」
「大丈夫です。横に座って様子見ているだけですから。」
そうして、私は朝まで病院で過ごすことになった。
疲れてはいたけれど眠気はなく、日記をつけながら、投薬を受けて眠り続ける柚子の顔を朝までずっと眺めていた。