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第50章 ==　あとがき　==

・食事風景
　人間は物を食うものです。人間に限らず、生物はすべてそうですけれど。

　これまたプロのアドバイスに従った作劇なのですが…

　井上敏樹さんという脚本家の方がいます。
　その方がどこかで、フィクションの世界では食事のシーンは必ず必要だと。そうしなければ登場人物に命が吹き込まれないというようなことを書かれていました。

　実際、その方の脚本ではしょっちゅう食事シーンが登場し、むしろちょっと多すぎるんじゃないのかと言われていたくらいです。

　まあ、全体に対する比率はさておき、番組をみながら、なるほどと思いました。言われなければそんなことには気づかなかったかもしれませんが、食事のシーンが出てこないドラマなどと比較すると、やはり登場人物が生きていると感じたのです。

　実際、自分でも食事のシーンを入れてみると、少しキャラに肉がついた気がしました。
　そういうわけで、私もちょいちょい食事シーンを入れていたのですが…


　意外にこれが難しいというか、手間がかかるんですね。


　まずメニュー考えなきゃいけない。これが結構大変。
　それなりに場面にあった不自然じゃない食べ物をもってこないといけないし、一応季節感とかもある。

　それと、食事をしている様子を描写しなきゃいけない。
　
　食事の動きって複雑だから、あんまり真面目に書こうとするとそれだけでどんどん文字数が伸びてしまう。

　さらに、ただ黙々と食事をさせておくわけにもいかないから、食事の場面にあった会話も必要。


　そんな手間のかかる食事シーンを少しでも楽にする意味もあって、食事に関する母のしつけは厳しくて娘たちは食事マナーが綺麗、なんて設定も作ったのでした。


　なお、柚子のクリスマスケーキは、こういったこととはちょっと違います。
　あれは、疑似カニバリズムの表現で、食事の延長ではないです。