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§ 龍王の巫女姫 §
第6章 凌辱の初夜

その酒を杯についで卓上に置き直す。

「…飲みたければ、飲め」

「……」

彼は椅子に腰を下ろした。

水鈴は涙をぬぐってそれを見詰める。



白い濁り酒、そこに溶けた黒い粉末



──これを飲めば楽になれる。



彼女はそっと手を伸ばす。炎嗣は静かに見守った。



杯を手に取り顔を近付けると独特の強い香りが鼻をつく。

それは酒特有の香りだが、水鈴は毒によるものだと判断した。



「…ヒクッ…、ふ…っ」



《 生きてください 》



「──…!!」



花仙が彼女に残した、最後の言葉



“ ごめんなさい…わたしはもう辛いのです。あなたがいない世界でどうすればいいというの?どうやって生きろというの? ”



哀しすぎる



「ごめんなさい…っ」



水鈴はそれを一気に喉に流し入れた。






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