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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
西の地で、虫の大量発生による蝗害( コウガイ )が勃発した。地域一帯の作物が被害をこうむり、飢えが民を襲う──。
さらに、その混乱に乗じたのか
北東部の山岳地帯を拠点とする蛮族が、国境を超え攻め入ってきた。
王族はみな、代々に継ぐ短命により命を落とし
ときの光丞帝も病に臥せ
国の転覆を狙う家臣がのさばる。
──…まさに絶望的
預言の通りの、李国の危機。
なかば信じていなかった光丞帝だが、もはや他に打つ手がなかったのだ。
預言に示されるには、龍の子は親を持たないと。
故に国中から孤児を集め、《龍の徴》を宿した子供を捜しにかかった──。