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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
光丞帝が天に召され
齢 十六の炎嗣が、遺言に従い即位した。
それに不満を持つ家臣や、反対する勢力も勿論あったようだ。
しかし彼等も、炎嗣の王としての素質を前にして…口を閉ざすしかなかったのだという。
「王となった炎嗣様は、単身で蛮族のもとに乗り込まれ、停戦の説得を成し遂げると……」
「蝗害の原因である害虫を駆除するため、隣国と交渉し、譲り受けた毒蛾を畑に放ち……」
「王族の転覆を謀っていた重臣達も、都から一掃するのに成功しました」
なにより炎嗣という若王が優れていたのは
王としての絶対的な威厳。
どんな相手も惹き付けずにはいられない天性の魅力であった。