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§ 龍王の巫女姫 §
第8章 託宣( タクセン ) ── 若王の秘密
「貴女の存在はまだ公にされていない。故に、大がかりな捜索もされませんよ…クク」
男は懐から布を取りだし
水鈴の顔に巻いて目隠しをした。
「……ッ!! 何を…」
「ほぉ…こうされるのは初めてで御座いますか」
視界を奪われたことで、嫌悪に加えて恐怖が彼女を襲った。
太った身体を揺らしながら男が笑う。
「心配せずとも明日の朝になれば、さらに遠くの別荘へ貴女をお連れいたします。そこなら絶対に見つかりません」
「……やめて‥お願い!触らないで下さい…‥ッッ、いや、いやあ!」
「ふん…うぶを装うのはお止めなさい。毎晩のように王の伽( トギ )を行っているではないか」
「……っ」
「…なのに貴女は逃げようとしない…。結局は色好みというわけですな」
だから、私が抱いてさしあげましょう。
そうとでも言いたげに、男は寝台にのそりと乗りかかってきた。