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§ 龍王の巫女姫 §
第9章 龍は孤独を歩む

「そんなの、哀しいわ…」

隣に座った炎嗣に、思わず水鈴は呟いていた。

「頂点に立つとはそういうものだろう。それに、俺には…見えるからな」

「──見える…?」

「…俺をおとしめようとする、《敵意》が」



《敵意》が、見える──?



「どういう、こと…?」


水鈴が理解できないのも当然のことだ。


炎嗣が言う敵意、とは

見える筈のない物だから──。


…普通の人間には、わからない。


それは彼が《龍の子》であるが故の力なのだ。



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