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§ 龍王の巫女姫 §
第10章 春節の夜
「捨ててしまうの?」
「お前が食べないのだから、そうなるな」
「そんな…っ」
沢山買っておきながら
彼の身勝手さに呆れつつ、食べ物を捨てるという行為に罪悪感を覚えながら、彼女は反対した。
「やめてください!そうやってわたしを困らせようだなんて…っ」
水鈴の言葉に耳を貸さず、炎嗣は餃子の包みを持って道の端に移動する。
“ なんて勝手な人なの!? ”
まさか初めからこのつもりで…!!
わたしの反応を待っていたのかしら。
「捨てるぐらいなら…っ、わたしが」
「…今さら、遅い」
スッ──
「…おい、そこのお前」
「…え!?」