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§ 龍王の巫女姫 §
第12章 紅い灯籠に花を広げ…
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「春節のご馳走も彩り鮮やかで素敵ですよ。─そうだわ、御料理だけでも私が少し拝借して…」
宴の最中である園林へ顔を向けて、侍女が早口に喋っている。
「…ああ、でもそれでは水鈴様をひとりにすることになりますし、…ああ困ったわ」
「だから言っているでしょう?少しの間ならわたしはひとりでも大丈夫です」
「少しの間なら…そうですわね、少しなら…」
そわそわしだした侍女は、義務と誘惑の狭間で揺れているようだ。
“ 可愛らしい人だな… ”
その気持ちは水鈴も経験済みで、彼女の心境を慮ると自然と微笑んでしまう。
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