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§ 龍王の巫女姫 §
第12章 紅い灯籠に花を広げ…



「──…退屈な役目は俺が引き受けよう」


「……!! へ、陛下!」


突如として、男の声がやや遠くからかけられた。


水鈴が振り向くと、赤と金の玉飾りが吊るされた軒下で炎嗣が此方を向いて立っていた。

二人が驚いていると、彼は廻廊を歩いて四阿に入ってくる。


「酒宴はちょうど賑わいの頂きだ。官女がつまみ食いをしたところで、わざわざとがめる者もいないだろう」

「……//」


頭を伏せていた侍女は顔を赤くした。

意地の悪い言い方はわざとなようで、炎嗣は軽く笑っている。


「…別に構わない。今日は祭りなのだろう?仕えの者達も同じように祝いを楽しむべきだ」

「あの…っ」

「行っていい」

「…は、はい…」


炎嗣から許可された侍女は水鈴にちらりと目を向けた後、もう一度礼をして四阿から去っていった。



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