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§ 龍王の巫女姫 §
第12章 紅い灯籠に花を広げ…
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「…ん…プア…っ、待って」
「……」
顔を俯かせて口付けを拒む。
けれどすぐに、顎を掴んで上を向かせられる。
「…っ、ふ……ンン…ま、…ハァ、まっ て…!」
割り入ってくる舌を押し戻す力はなくて…逃げる力もなくて…
あっという間に絡めとられて、彼のものになる。
「ん、ん…ぁ…」
言葉が出せない代わりに水鈴は彼の身体を両手で押した。
…けれど思い直し、その手を引っ込めた。
「…ぁ…炎嗣さ…ハァ、怪我が…!」
「──怪我?」
「…悪化したら困る…から…っ、もう止めた方が」
そろそろ止めなければ…歯止めをかけなければ。
「…フ…心配無用。確かに侍医からは " 激しい運動 "を禁じられたが……っ、…指と舌でお前を喘がせるくらいなら、構わないと…──許可を受けた」
「……っぁ…ハァ、嘘…!!」
炎嗣は重傷だ。
本当なら絶対安静──宴への出席すら危ぶまれていたというのに。
そんなヤブ医者がいるわけない。
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