この作品は18歳未満閲覧禁止です
§ 龍王の巫女姫 §
第13章 都を離らば
膝から崩れた彼は、うつ伏せに倒れた。
このまま静かに終わるのか…
死を前にして例えそこにあるのが悲しみでも、どうすることもできないから諦められる。
だから男は笑っていた。
目を閉じたその表情は安らかだった──
「大丈夫か?お前さん」
「……!」
「そのような軽装で何をしておる…、ほれ、立ちなさい」
ふらり現れた老人が、男の足下に立っている。
力尽きた人間を前にして慌てた様子もなく、低い背丈のその老人は半ば呆れているようにも見えた。