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§ 龍王の巫女姫 §
第13章 都を離らば
────…
四阿( アズマヤ )での淫らな夜から八日が経過した。
今は羊の刻──午後二時過ぎだ。
水鈴はこの時、炎嗣と同じ輿( コシ )に乗せられて都から南の国境近くまで移動している最中だった。
「……ふ、ぅ‥」
「どうした、また気分が悪いのか」
「まだ慣れないみたい…っ」
目を閉じて壁に寄りかかり、深く息を吐いた水鈴の斜め前には炎嗣が座っている。
皇室御用達の輿の中で、終始ぐったりとしている水鈴は、この空間が苦手なようだ。