この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第13章 都を離らば
わたしは何も知らないの
あなたのその横顔──空( クウ )をさ迷う瞳が
どうしたって寂しそうに見える理由
それひとつをとっても…──
「俺の観察は楽しいか」
「…あッ」
バレないように見ていたのに、炎嗣と目があってしまった。
「お前の体調が悪いから遠慮してやったのに、どうやら治ったようだな?」
「…ッ…え、別に良くなったわけではないです」
「──…わかっているのか、俺の我慢を」
「……!?」
我慢…っ?
「触れた途端に吐かれては、さすがに俺も不愉快だからな…」
「…吐くっ… て ‥っ」
それはこちらとしても ごめんこうむりたい。