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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜
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そうこうしていると、炎嗣は構わず自らの帯を解き始める。
「…もう…っ」
水鈴は顔を赤らめ、背を向けると脱衣所から出ていこうとした。
「──…おい」
「……! 」
「何処に行く…。許可なく王に背を向けるとは、無礼な行為だと思わないのか…」
しかしその時、炎嗣の声が真剣な厳しさを含んで呼び止めたので、水鈴は凍り付く。
“ しまった…… ”
振り返る勇気さえ持てない彼女は、戸口の壁に片手をついて小さく震えた。
炎嗣は震える水鈴に背後から歩みより、彼女を閉じ込めるように壁に手を突く。
「礼儀知らずが…震えていないで謝ったらどうだ」
「…ご めんなさい…っ」
「聞こえんな」
水鈴の肩に手をかけると
ぐいと引いて此方を向かせる。
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